父親が親権を取れないのは何故か

お子さんがいる場合、離婚時に避けられない問題です。
離婚の際「どちらが親権を持つか?」の話し合いは両者とも子供を愛するがあまり、難航するケースが多いです。
話し合いで解決できない場合には家庭裁判所に調停を申し立て、「どちらがふさわしいか?」を判断して貰う事になります。
ここまでは、母親、父親共に公平なものかと感じますが、しかしながらこのような統計が御座います。

・妻が全児の親権を行う場合=80%
・夫が全児の親権を行う場合=15%

この統計からしましても、父親の約8割が親権を取る事は出来ません。
それには理由があります。

■父親が親権者になる難しさ
父親はフルタイムで仕事をしていることが多く、子供の面倒を見る事は出来ません。
6歳以下は保育園、6歳以上は学童や民間の保育施設に預けるしかありませんが、保育料は定時に仕事が終わったとしても月約5万円、残業等で19時、20時となると10万円を超えることが多く、現実的ではありません。
また育児の経験が乏しい為、休日に面倒を見るのにも難儀します。

子供が物心付いたら本人の気持ちを尊重するのですが、子供は普段、長い時間接している為、母親を選ぶことが多いです。

■父親が親権を取れない理由
「親権の8割は母親が持つ」というのは、かなり有名な話であり、当事者がすでに知っていることが多いです。
その為、父親は既に諦めていて、そもそも離婚の話し合いで「子供を引き取りたい」とすら言わない事も往々にしてあります。

また、離婚前から別居し、母親と子供だけで生活している場合も多いです。
同居しながら離婚の話し合いをするのは精神的に耐えられないので、先に別居するのです。
別居の理由は冷却期間、離婚前提など様々ですが、一度手元から離れた子供を連れ戻すのは困難なので、離婚後もそのまま母親が親権を持つ事になるのです。

母親から養育費をもらうのは困難で、父親の収入だけでやっていかなければなりません。
逆に、父親が親権を取得出来た例としましては、母親の母性が欠如しているケースです。
例えますとこのような場合です。

・母親が逃げていき、子供と父親が家に残された

例をもとに話を続けますが、母親が逃げ出した先は、大体は実家や浮気相手の家ですが、この手の女性はきちんとした仕事を持っていない事も多く(仕事があれば、そう簡単に失踪出来ません)、養育費は期待出来ません。

■まとめ
ここまでを下記に纏めます。

1.働いている父親が子供の面倒を見る事は困難
2.母親からの養育費を期待出来ない
3.子供自身が母親と暮らすことを選ぶ。
4.母親が親権を持つべきという先入観から
5.仕事メインのライフスタイルを変えたくない

一般的に父子家庭が少ない事は、このような理由からだった訳です。
ですが、勿論父子家庭は存在します。
ではどのように「父親側が親権を取得出来るのか?」を次回説明して行こうと思います。